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編集後記
近藤 幸尋
pp.462
発行日 2017年5月20日
Published Date 2017/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413206032
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「今年のゴールデンウィークは,凄い」「月曜日と火曜日を休むと9連休」といった航空会社や旅行会社のコマーシャルを尻目に,ゴールデンウィーク後に米国泌尿器科学会があるためそんなに休んでいたら大変だと考えております.
「大変だ」と最近考えることの1つとして,腎癌に対する免疫チェックポイント阻害薬のニボルマブがあります.このニボルマブはチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)に加わる新たな治療薬ですが,効果もあれば副作用のバリエーションも豊富で,患者側からはTKIの副作用よりも軽く,食欲もあり快調との声も聞く薬剤です.このニボルマブは,発売当初は悪性黒色腫に対する希少疾病用医薬品のため高い薬価がついていましたが,肺癌の適応拡大により一気に使用量が増えました.薬価が1か月で約300万円,1年間で約3500万円もかかるために,「この一剤を契機として,国が滅びかねない」と危機感が出て,この春に薬価が削減されました.当初25%の削減と思われていましたが,財務省の後押しで一気に半減しました.
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