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編集後記
近藤 幸尋
pp.224
発行日 2015年2月20日
Published Date 2015/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205176
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皆様にとって保険診療はなくてはならない存在であると同時に,面倒な存在でもあろうかと存じます。保険の制限の中で検査を行い,保険で使えるもののみで治療を完結しなければならないわけです。日常臨床においては海外ですでに使用できる薬が使用できないことや,海外の学会で見つけてこれは使いやすそうだと思った医療機器がいまだ日本では流通していないことが多々あります。この現象を「ドラッグラグ」や「デバイスラグ」などと呼びますが,以前に比べてその時間は縮小されているものの,まだまだ物によっては存在しています。このようにわれわれの保険診療は,多くの制限の中で行われています。
さて,保険診療は当然のごとく厚生労働省の管理のもとで適切に行われているわけですが,具体的内容は誰が決定しているのでしょうか。最終的には厚生労働省が決定するわけですが,薬は製薬会社により医薬品医療機器総合機構を介して申請し,厚生労働省が認可しております。また,検査や処置,手術に関しては外科系保険連合(外保連)や内科系保険連合(内保連)を介して2年に1回申請しています。これにより,2014年度の保険改訂において腹腔鏡下尿膜管摘除術や腹腔鏡下褐色細胞腫摘除術が保険適用になり,点数の増加がなされています。手術の保険点数は基本的にその臓器の手術の困難性や機材の投入がいかに必要か,および人件費によって決められております。つまり,昔からの難しそうな手術は高い点数になり,処置などに関しては低い点数に決められています。
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