特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療
4 尿路・性器の感染症
非特異的感染症
060 腎周囲膿瘍
田中 一志
1
,
藤澤 正人
1
1神戸大学大学院医学研究科外科系講座腎泌尿器科学分野泌尿器先端医療開発学部門
pp.173-175
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103129
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1 概念・病因
腎周囲膿瘍は腎周囲腔に膿瘍が貯留する病態で,尿路から波及する場合が約2/3で血行性が約1/3とされている1)。血行性感染の大部分は皮膚の感染巣からのものである。腎周囲血腫がしばしば腎周囲膿瘍の原因になることもある。また腎周囲膿瘍が腎筋膜を超えて後腹膜膿瘍にまで至ることも少なくない。主な起炎菌はEscherichia coli,Proteus,Staphylococcus aureusである。危険因子の2大要因は閉塞を伴った上部尿路感染と免疫抑制状態であり,基礎疾患として糖尿病を持つ場合が1/3程度認められる。そのほかの危険因子としては神経因性膀胱,血液透析中の囊胞腎などがある。
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