特集 外科外来マニュアル
私の治療
一般
肛門周囲膿瘍
植松 義和
1
1足利赤十字病院外科
pp.752-753
発行日 1982年5月20日
Published Date 1982/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208012
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□概説
肛門腺窩→肛門導管→肛門腺への細菌感染による炎症が内外括約筋を貫き,括約筋間中隔に沿つてひろがり膿瘍を形成する.肛門部疾患で熱感を伴うものは肛門周囲膿瘍しかない.皮下・低位筋間・坐骨直腸窩膿瘍が頻度が高く,これらは外来で直ちに切開,排膿を必要とするが,処置は最少限に止どめるべきで,肛門括約筋には安易に手術操作を加えてはならない.悪感を伴う発熱が続き,感冒と思つているうちに便秘,肛門部不快感を訴えれば高位筋間・骨盤直腸窩膿瘍である.皮膚の腫張が明らかでないことがあり,これらは入院腰麻下に膿瘍のみの切開に止どめる.根治手術は後日二次的におこなつた方がよい.
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