Japanese
English
症例報告
シクロスポリン内服治療中に肺小細胞癌の脊椎内転移を認めた乾癬患者の1例
A case of small cell carcinoma of the lung metastatic to the vertebral column during treatment with cyclosporine
梅澤 慶紀
1
,
大井 綱郎
1
,
古賀 道之
1
Yoshinori UMEZAWA
1
,
Tsunao OH-I
1
,
Michiyuki KOGA
1
1東京医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Medical University
キーワード:
シクロスポリン
,
乾癬
,
悪性腫瘍
Keyword:
シクロスポリン
,
乾癬
,
悪性腫瘍
pp.217-219
発行日 2000年3月1日
Published Date 2000/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903150
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63歳,女性.約10年前より,肘,膝などに難治性の皮疹が出現し,近医で尋常性乾癬の診断のもとステロイド外用により治療をしていた.1993年1月25日よりシクロスポリン(CYA)150mg/日を開始した.経過中,腎機能障害,肝機能障害などの副作用は認めなかった.1997年10月頃より歩行時に腰痛が出現するようになり,近医で精査したところ脊推内に腫瘍があることが判明し,本院整形外科を受診した.その後,全身検索したところ右肺S5領域の肺小細胞癌の脊椎内転移であることが判明した.腎移植の分野ではCYAを用いることにより悪性腫瘍の発生が有意に上昇するとの報告もあるが,尋常性乾癬のCYA治療における悪性腫瘍の発生の報告は少ない.今後,乾癬のCYA治療を行う際,腎障害,肝障害などの副作用の出現に注意をするとともに,悪性腫瘍の発生にも十分配慮する必要があると思われた.
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