Japanese
English
特集 最近のトピックス2010 Clinical Dermatology 2010
4. 皮膚疾患治療のポイント
乾癬の爪病変に対する低用量シクロスポリン内服
Clinical usefulness of cyclosporin administration in patients with nail psoriasis
安部 正敏
1
,
周東 朋子
1
,
長谷川 道子
1
,
井上 千鶴
1
,
石川 治
1
Masatoshi ABE
1
,
Tomoko SHUTO
1
,
Michiko HASEGAWA
1
,
Chizuru INOUE
1
,
Osamu ISHIKAWA
1
1群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学
1Department of Dermatology,Gunma University Graduate School of Medicine,Maebashi,Japan
キーワード:
シクロスポリン
,
爪乾癬
,
低用量
,
QOL
,
psoriasis disability index(PDI)
Keyword:
シクロスポリン
,
爪乾癬
,
低用量
,
QOL
,
psoriasis disability index(PDI)
pp.115-119
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102585
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 爪乾癬は種々の治療に抵抗する難治性病変であり,患者のQOLを著しく低下させる.われわれは,爪乾癬に対する低用量シクロスポリン内服療法を試み,良好な結果を得た.あわせて,本療法による患者のQOL変化を検討した.当科乾癬外来通院中の爪乾癬患者32名に対しシクロスポリン内服を施行したところ,25%の症例では爪病変が完全に治癒し,50%では明らかに改善した.治癒した症例では投与中止後も再発がみられない傾向があり,また改善にとどまった症例を含めて著しい再燃はみられなかった.今回の検討から,①爪乾癬に対するシクロスポリン内服療法は低用量(症例によってはさらに低用量)で効果を呈する例が多い,②治癒後投与を中止しても再燃しにくい,③治癒例においてはQOL改善が図られる,といった3点が明らかとなった.シクロスポリンは爪乾癬に対し,低用量でQOLを改善しうる有力な治療手段である.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.