Japanese
English
症例報告
肝障害を合併した塩酸メキシレチンによる薬疹
A case of drug eruption with liver dysfunction due to mexiletine hydrochloride
安田 秀世
1
,
松原 邦彦
1
,
宮内 東光
1
Hideyo YASUDA
1
,
Kunihiko MATSUBARA
1
,
Harumitsu MIYAUCHI
1
1倉敷中央病院皮膚科
1Department of Dermatology, Kurashiki Central Hospital
キーワード:
塩酸メキシレチン
,
肝障害
,
薬疹
,
貼布試験
,
循環器用薬
Keyword:
塩酸メキシレチン
,
肝障害
,
薬疹
,
貼布試験
,
循環器用薬
pp.319-321
発行日 1999年4月1日
Published Date 1999/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902827
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56歳,女性.不整脈にて塩酸メキシレチン(メキシチール®)を内服し約1か月後より39℃台の発熱,肝障害を伴う全身性皮疹が出現した.臨床像,組織型より多形紅斑型薬疹と診断した.酢酸ベタメタゾン6mgの全身投与により治療開始後10日目頃より皮疹は軽快し,肝障害も改善傾向を示した.塩酸メキシレチンのパッチテストでは48時間で陽性反応を示し,その後のリンパ球幼若化試験でも陽性となった.メキシチール®は従来より心室性不整脈などの循環器疾患に使われてきた経口抗不整脈剤である.しかし近年,その薬理作用のため糖尿病性神経痛から帯状疱疹後神経痛に至るまでその適応範囲が拡大している.このような他科領域にその使用範囲が拡大する薬剤においては,今後その使用に更なる注意が必要であると思われた.
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