Japanese
English
症例報告
成人Still病と鑑別を要した塩酸クリンダマイシンによる薬疹
A case of clindamycin-induced drug eruption presenting adult-onset Still's disease-like symptoms
川上 千佳
1
,
尾藤 利憲
1
,
深町 晶子
1
,
杉田 和成
1
,
中村 元信
1
,
戸倉 新樹
1
Chika KAWAKAMI
1
,
Toshinori BITO
1
,
Syoko FUKAMACHI
1
,
Kazunari SUGITA
1
,
Motonobu NAKAMURA
1
,
Yoshiki TOKURA
1
1産業医科大学病院皮膚科学教室
1Department of Dermatology, University of Occupational and Environmental Health, Kitakyushu, Fukuoka, Japan
キーワード:
クリンダマイシン
,
肝障害
,
薬疹
,
成人Still病
,
サイトカイン過剰産生
Keyword:
クリンダマイシン
,
肝障害
,
薬疹
,
成人Still病
,
サイトカイン過剰産生
pp.312-316
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103586
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要約 39歳,女性.発熱を伴う蕁麻疹のため前医にて抗アレルギー薬,アジスロマイシン,セフトリアキソン,塩酸クリンダマイシンにより治療を開始された.しかし,発熱,CRP(15.5mg/dl)とフェリチン(8,703ng/dl)高値,肝機能障害は持続し,関節痛も生じた.当院初診時,四肢,体幹にびまん性の浮腫性紅斑を認め薬疹を疑い,薬剤中止のみで経過をみたところ速やかに症状は改善した.被疑薬のパッチテストで塩酸クリンダマイシンに陽性,同薬の内服テストで12時間後に浮腫性紅斑の誘発をみた.自験例は成人Still病の診断基準を満たしていたことより鑑別に苦慮したが,治療経過および皮膚試験・誘発試験により塩酸クリンダマイシンによる薬疹と診断した.塩酸クリンダマイシンの作用機序を踏まえ,薬剤投与がサイトカイン過剰産生を惹起し,成人Still病様病態を引き起こしたのではないかと考えた.
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