Japanese
English
原著
Eruptive Keratoacanthoma—1例報告ならびに文献的考察
Eruptive Keratoacanthoma: A Case Report and Review of the Literature
持田 耕己
1
,
吉池 高志
1
,
相川 洋介
1
,
高森 建二
1
,
小川 秀興
1
Kouki MOCHIDA
1
,
Takashi YOSHIIKE
1
,
Yousuke AIKAWA
1
,
Kenji TAKAMORI
1
,
Hideoki OGAWA
1
1順天堂大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Juntendo University School of Medicine
キーワード:
multiple keratoacanthoma
,
eruptive keratoacanthoma
Keyword:
multiple keratoacanthoma
,
eruptive keratoacanthoma
pp.339-344
発行日 1993年4月1日
Published Date 1993/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900853
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69歳男.家族歴なし.炭抗夫・プラスチック加工の職歴.1年前より顔面・頸部を中心とする200個に及ぶ毛孔一致性の角化性小結節が多発.粘膜疹はないが,瘙痒あり.Multiple biopsyにて有棘細胞癌に似た病理組織像を示す部分もあるものの,組織構築はすべてkeratoacanthoma様であった.以上からeruptive kerato—acanthomaと診断し,大なるものについては切除・液体窒素療法などを行った.放置せるもののうち若干については自然消褪傾向を示した.自験例は本邦2例目,世界11例目に当たり,極めてまれな疾患である.過去の報告例のまとめでは,①小型腫瘤が数百〜数千個出現,②出現範囲も広汎で顔面・頸部のみならず掌蹠や粘膜にも生じる,③痒みを伴うなどが特徴である.④自然消褪傾向に関しては当初強調されたほどには認められていなかった.病因としては,非露出部にも出現すること,毛嚢付属器の発達した部位にも出現することから,carcinogenへの曝露を最も疑った.
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