Japanese
English
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Keratoacanthomaの1例
A CASE OF KERATOACANTHOMA
平山 多秋
1
,
田辺 泰民
1
Masaaki HIRAYAMA
1
,
Yasutami TANABE
1
1広島大学医学部皮膚泌尿器科教室
1Department of Dermatology and Urology, Hiroshima University School of Medicine
pp.915-917
発行日 1964年9月1日
Published Date 1964/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203883
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I.緒 言
Keratoacanthoma(以下Ka)はやや急速に発育し,自然治癒を営む独立した良性の上皮性腫瘍であるが,臨床的,組織学的に棘細胞癌に酷似するために最近皮膚科領域で注目されるようになつた。1893年LasserはKaと思われる疾患を最初に報告し,次いで1917年,GougerotはVerrucomaの名のもとにこれを報告した。その後,MacCormac等(1936)は10例を総括してMolluscum sebaceumと命名し,Rook等(1952)は組織学的所見に基づいてKaの語源を提唱した。又,Hamper1等(1954)はMolluscum pseudocarcinomatosumの名称を与えているが併し現在ではKaの名称が一般に使用されている。Kaは欧米,殊に英国では多数の報告がなされているが,本邦の症例は極めて少なく,1957年古谷等が1例を報告して以来大矢等(1958)陰山(1958)の各1例,原田等(1959)の4例,小林(1959)石川等(1959)天野(1960)森等(1960)肥田野,川田,百瀬(各れも未発表)の各1例,青木(1962)の1例と10数例を算えるに過ぎない。著者も最近その1例を経験したので報告する。
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