Japanese
English
症例報告
紡錘形細胞からなる真皮内母斑の1例
A case of spindle cell intradermal nevus
大熊 よう子
1
,
光石 幸市
1
,
小林 雅明
1
,
持田 耕己
1
,
坪井 良治
1
,
小川 秀興
1
Yoko OKUMA
1
,
Kouichi MITSUISHI
1
,
Masaaki KOBAYASHI
1
,
Kouki MOCHIDA
1
,
Ryoji TSUBOI
1
,
Hideoki OGAWA
1
1順天堂大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Juntendo University, School of Medicine
キーワード:
真皮内母斑
,
紡錘形細胞
,
束状型母斑細胞母斑
,
Spitz母斑
,
combined nevus
Keyword:
真皮内母斑
,
紡錘形細胞
,
束状型母斑細胞母斑
,
Spitz母斑
,
combined nevus
pp.371-373
発行日 1998年4月1日
Published Date 1998/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902495
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33歳,女性の右背部に生じた紡錘形細胞からなる真皮内母斑の1例を報告した.病変は直径1cm大の有茎性で黒褐色の柔らかい腫瘤で,病理組織学的には病変は真皮上〜中層に限局した主として紡錘形の細胞からなる腫瘍塊であった.腫瘍塊は,表皮や周辺組織からは明瞭に区別されて境界活性がなく,表皮に近い辺縁部はメラニン顆粒の豊富な母斑細胞様細胞からなり,中心部では比較的均一な紡錘形の細胞が束状,渦状に密に増殖し,一部の細胞にメラニン顆粒を認めた.個々の細胞に異型性はみられなかった.免疫組織学的には,腫瘍細胞はS−100蛋白,NSEともに陽性で,S−100蛋白は表皮に近い辺縁部ほど強く,NSEは中心部ほど強く染まった.以上より自験例を真皮内母斑の一種と考えた.
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