Japanese
English
原著
B細胞性リンパ腫—生前に心膜転移を診断し得た1例
A Case of B Cell Lymphoma with Clinically Demonstrated Pericardial Infiltration
樽谷 勝仁
1
,
小澤 健太郎
1
,
磯ノ上 正明
1
,
東山 真里
1
,
滝尻 珍重
1
,
山村 弟一
1
,
橋本 公二
1
,
吉川 邦彦
1
Masahito TARUTANI
1
,
Kentarou OZAWA
1
,
Masaaki ISONOKAMI
1
,
Mari HIGASHIYAMA
1
,
Chincho TAKIJIRI
1
,
Teiichi YAMAMURA
1
,
Koji HASHIMOTO
1
,
Kunihiko YOSHIKAWA
1
1大阪大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Osaka University School of Medicine
キーワード:
B細胞性リンパ腫
,
心膜転移
Keyword:
B細胞性リンパ腫
,
心膜転移
pp.345-350
発行日 1993年4月1日
Published Date 1993/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900854
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生前に心膜転移を診断し得たB細胞性リンパ腫の1例を報告する.症例は58歳,男性.全身に多発する浸潤性紅斑を主訴として当科受診.皮疹生検の結果non—Hodgkin-lymphoma,diffuse large cell typeと診断された.皮膚生検組織の細胞表面マーカーの免疫組織学的検索ではT,B細胞の特定はできなかったが,サザンプロット法によるDNA解析の結果B細胞性であることが確認できた.入院時右肘部リンパ節腫脹,発熱,全身倦怠感の他に奇脈,心電図上低電位,X線上心拡大を認め心エコー検査にて心タンポナーデと診断し,心嚢穿刺施行.穿刺液の細胞診にて腫瘍細胞の浸潤が確認された.また胃粘膜生検および骨髄穿刺検査にて腫瘍細胞の浸潤を認め,臨床病期分類はstage IV Bと考えられた.心嚢液内にメトトレキサート注入後VEPA変法1クール行い,心タンポナーデは改善したが,その後治療に反応せず,確定診断後約4カ月で死の転帰をとった.
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