Japanese
English
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1991
III 新しい検査法と診断法
白皮症の遺伝子診断
Genetic diagnosis of oculocutaneous albinism
富田 靖
1
,
松永 純
1
,
田上 八朗
1
Yasushi TOMITA
1
,
Jun MATSUNAGA
1
,
Hachiro TAGAMI
1
1東北大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
キーワード:
遺伝子診断
,
代謝異常症
,
チロシナーゼ
,
白皮症
Keyword:
遺伝子診断
,
代謝異常症
,
チロシナーゼ
,
白皮症
pp.104-108
発行日 1991年4月15日
Published Date 1991/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900345
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チロシナーゼ陰性型白皮症の日本人患者に見いだされたチロシナーゼ遺伝子の二つの変異について,患者家族の遺伝子解析を行った.変異の一つはpoint mutationで,チロシナーゼ遺伝子のDNA塩基配列312番目の塩基グアニン(G)がアデニン(A)に置換したものである.この部位は正常遺伝子で制限酵素Hpa IIの認識部位であるが,患者遺伝子では制限酵素BstN Iの認識部位へと変わるので,この二つの酵素による制限酵素断片の鎖長多形の比較により,この変異の遺伝子診断が可能である.二つめの変異はitsertionmutationで,チロシナーゼ遺伝子のエクソン−2に一塩基つまりシトシン(C)の挿入があり,遺伝暗号のframe shiftを起こし,すぐにstop codonが出現するため,酵素蛋白の蛋白合成はエクソン−2で停止する.この変異部を認識する制限酵素がないので,変異前後の20個のヌクレオチドをプローベとして,dot blot hybridizationを行うことにより,この部位の変異についての遺伝子診断が可能である.
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