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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1990
II 新しい検査法と診断法
培養色素細胞を用いた炎症後色素沈着の解析—新しい検査法として吸引水疱を応用した1例
Analysis of postinflammatory hyperoigmentation in normal human melanocytes cultured in vitro
富田 靖
1
,
前田 憲寿
1
,
松永 純
1
,
田上 八朗
1
Yasushi TOMITA
1
,
Kazuhisa MAEDA
1
,
Jun MATSUNAGA
1
,
Hachiro TAGAMI
1
1東北大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
キーワード:
histamine
,
leukotriene C4
,
melanocyte
,
suction blister
,
tyrosinase
Keyword:
histamine
,
leukotriene C4
,
melanocyte
,
suction blister
,
tyrosinase
pp.547-551
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900102
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日焼けを含めた炎症後の色素沈着の機構を知るために,吸引水疱の水疱蓋より得られた正常ヒト色素細胞を培養し,炎症性化学伝達物質のin-vitroの効果をみた.プロスタグランジン(PG)E2,PGD2,PGF2α,6-KetoPGF1α,ロイコトリエン(LT)B4,LTC4,LTD4,LTE4,トロンボキサン(TX)B2,ヒスタミン,PAF,ブラディキニン,セロトニンに程度の差はあれ,色素細胞を刺激する作用を認めた.なかでもLTC,とヒスタミンは,細胞の大きさ,樹枝状突起の数,細胞周長,TMH−1単クロン性抗体の染色性,チロシナーゼ活性のいずれも著しく増加した.この結果,これらの物質の炎症後の皮膚色素増加への関与の可能性が示された.この研究で用いられた吸引水疱は,任意に対象部位を選べることから,また色素細胞に限らず角化細胞も得られることから,今後さまざまの皮膚疾患の病態研究に関する,in-vitroの実験や検査に利用し得ることを考察した.
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