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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1992
III 新しい検査法と診断法
胎児皮膚生検による遺伝性皮膚疾患の出生前診断
Prenatal diagnosis of hereditary skin disorders by fetal skin biopsy
清水 宏
1
Hiroshi SHIMIZU
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
キーワード:
胎児皮膚生検
,
出生前診断
,
先天性表皮水疱症
,
白皮症
,
電顕ドーパ反応
Keyword:
胎児皮膚生検
,
出生前診断
,
先天性表皮水疱症
,
白皮症
,
電顕ドーパ反応
pp.89-94
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900612
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遺伝性疾患の出生前診断は,正常な胎児を堕胎から救うという大きな社会的意義を持っている.しかしこれまで本邦での胎児皮膚生検による出生前診断の施行例としては,1987年Kan—zaki,Suzumoriらによるharlerquin fetusの報告を見るのみであった.筆者らは胎児皮膚生検による出生前診断を主な目的として,1990年7月に,慶應大学皮膚科に遺伝相談外来を開設した.これを通じ,1991年に本邦で初めて先天性表皮水疱症,ついで白皮症の出生前診断の試みに成功した.Herlitz致死型先天性表皮水疱症の出生前診断には電顕,およびGB3モノクローナル抗体を用いた.またチロジナーゼ活性陰性型白皮症については,筆者らが初めて電顕ドーパ反応を胎児診断に応用した.胎児皮膚生検による遺伝性皮膚疾患の出生前診断について,世界ならびに本邦での現状,またその意義,今後の展望についても述べた.
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