Japanese
English
今月の症例
ラムシルマブ投与中に毛細血管拡張性肉芽腫様病変が多発した1例
A case of multiple pyogenic granuloma-like lesions during ramucirumab treatment
澤田 楓
1
,
角田 梨沙
1
,
戸ヶ崎 和博
2
,
内川 理紗
1
,
高杉 亜里紗
1
,
伊東 可寛
1
,
野村 彩乃
1
,
平井 郁子
1
,
種瀬 啓士
1,3
,
舩越 建
1
,
大内 健嗣
1
Kaede SAWADA
1
,
Risa KAKUTA
1
,
Kazuhiro TOGASAKI
2
,
Risa UCHIKAWA
1
,
Arisa TAKASUGI
1
,
Yoshihiro ITO
1
,
Ayano NOMURA
1
,
Ikuko HIRAI
1
,
Keiji TANESE
1,3
,
Takeru FUNAKOSHI
1
,
Takeshi OUCHI
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2慶應義塾大学医学部消化器内科学教室
3東邦大学医療センター大森病院皮膚科
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Gastroenterology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
3Department of Dermatology, Toho University Omori Medical Center, Tokyo, Japan
キーワード:
ラムシルマブ
,
毛細血管拡張性肉芽腫
,
血管腫
,
血管内皮細胞増殖因子受容体
Keyword:
ラムシルマブ
,
毛細血管拡張性肉芽腫
,
血管腫
,
血管内皮細胞増殖因子受容体
pp.980-986
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207449
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要約 51歳,女性.盲腸癌多発転移に対するFOLFIRI(フルオロウラシル,レボホリナート,イリノテカン)とベバシズマブの併用療法後,病勢進行のためベバシズマブをラムシルマブへ変更した.ラムシルマブの投与再開3週後,頸部や体幹に,周囲に拡張した毛細血管が放射状に分布する赤色小丘疹が多発し,後頭部に易出血性の赤色丘疹が出現した.病理組織像で,真皮浅層に小血管の拡張を伴う血管内皮・周皮細胞の結節状の増生を認めた.盲腸癌の進行によりFOLFIRIとラムシルマブが投薬終了となり,その3か月後に頸部・体幹の病変はすべて消退した.ラムシルマブは血管内皮細胞増殖因子受容体-2に対する抗体製剤で,血管新生を阻害することにより抗腫瘍効果を発揮するが,自験例のように逆説的に血管腫様の病変を誘導することがある.短期間で血管腫様病変が多発するなど,特徴的な経過をたどる際には薬剤との関連を考慮すべきである.
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