Japanese
English
症例報告
毛細血管拡張性肉芽腫様外観を呈した腎細胞癌の皮膚転移の1例
A case of skin metastasis of renal cell carcinoma with a granuloma telangiectaticum-like appearance
澤田 佳織
1
,
福屋 泰子
1
,
鈴木 瑞穂
1
,
石黒 直子
1
Kaori SAWADA
1
,
Yasuko FUKUYA
1
,
Mizuho SUZUKI
1
,
Naoko ISHIGURO
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
腎細胞癌
,
皮膚転移
,
毛細血管拡張性肉芽腫
Keyword:
腎細胞癌
,
皮膚転移
,
毛細血管拡張性肉芽腫
pp.527-531
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206724
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要約 80歳,男性.71歳時に右腎癌に対し根治的右腎摘出術を施行し,78歳時に肺転移を疑われ経過観察されていた.初診2か月前より右頸部に紅色小結節を自覚した.初診時,右頸部に8×5mmの紅色小結節があり,その上に径4mmのドーム状の紅色丘疹を認め,毛細血管拡張性肉芽腫を疑った.初診1か月後の入院時には,右頸部の結節の拡大と,左鼻背部,左鼻翼部に紅色丘疹の新生を認めた.3か所ともに局所麻酔下に全摘出術を施行した.病理組織像は,真皮内に淡明な細胞質を持つ腫瘍細胞が胞巣状に増生し,間質に豊富な血管網を伴っていた.免疫組織染色では,腫瘍細胞は腎細胞癌に特異性の高いCD10,PAX8,CAⅨで陽性であり,淡明細胞型腎細胞癌の皮膚転移と診断した.3か月後に多発肺転移の増大があり,7か月後に永眠した.腎細胞癌の皮膚転移は臨床像,ダーモスコピー所見において毛細血管拡張性肉芽腫との鑑別が困難な場合があり,注意が必要である.
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