Japanese
English
症例報告
アトピー性皮膚炎に続発した衛星病巣を伴う毛細血管拡張性肉芽腫の1例
A case of granuloma telangiectaticum with multiple satellite lesions arising on the eczematous lesion of atopic dermatitis
佐々木 直起
1,2
,
長谷川 道子
1
,
田村 敦志
1
Naoki SASAKI
1,2
,
Michiko HASEGAWA
1
,
Atsushi TAMURA
1
1伊勢崎市民病院皮膚科
2産業医科大学皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Isesaki Municipal Hospital, Isesaki, Japan
2Department of Dermatology, University of Occupational and Environmental Health, Kitakyushu, Japan
キーワード:
毛細血管拡張性肉芽腫
,
衛星病巣
,
アトピー性皮膚炎
,
多発
Keyword:
毛細血管拡張性肉芽腫
,
衛星病巣
,
アトピー性皮膚炎
,
多発
pp.231-236
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207223
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要約 37歳,女性.アトピー性皮膚炎の病変内に毛細血管拡張性肉芽腫が出現し,その後明らかな誘因なく衛星病巣が発生した.初診時,右肘窩の苔癬化局面内に12×10 mmの紫紅色結節があり,周囲に同じ色調の小結節が散在していた.原発病巣を切除後,湿疹病変に対してステロイド外用を行うことで衛星病巣は消退傾向を示した.衛星病巣を伴う毛細血管拡張性肉芽腫は医中誌WEBで検索しえた限り,これまでに本邦で20例報告されていた.多くは原発巣に対する外科的治療を契機に発症しており,自験例のように特に誘因なく発生した例は4例のみであった.また,大部分は特別な発生母地を有しておらず,アトピー性皮膚炎に合併した例は2例のみであった.組織像の検討では主病変から離れた深部や側方に病巣を有する例が自験例以外に4例あり,病巣の拡がりを組織学的に検索することが,再発や衛星病巣発症要因の解明に役立つのではないかと考えた.
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