Japanese
English
症例報告
STAT6陽性が診断に有用であったsolitary fibrous tumorの1例
A case of solitary fibrous tumor in which STAT6 positivity was useful for diagnosis
宜野座 淳善
1
,
布袋 祐子
1
Atsuyoshi GINOZA
1
,
Yuko FUTEI
1
1荻窪病院皮膚科
1Division of Dermatology, Ogikubo Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
孤立性線維性腫瘍
,
脂肪細胞
,
spindle cell lipoma
,
STAT6
Keyword:
孤立性線維性腫瘍
,
脂肪細胞
,
spindle cell lipoma
,
STAT6
pp.855-859
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207418
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要約 38歳,女性.初診1か月前から左季肋部に皮下結節を自覚し精査加療目的に受診した.初診時,左季肋部に軽度圧痛を伴う境界明瞭,弾性やや硬の2 cm大の皮下結節を認めた.MRIで皮下脂肪識内にT1低信号,T2軽度高信号の皮下結節を認め,皮下軟部腫瘍を考え局所麻酔下にて切除した.病理組織学的には境界明瞭な腫瘍であり,好塩基性に濃染される紡錘形の核を有する細胞が一部花むしろ様を呈しながら不規則に増殖していた.また腫瘍内には分枝するように広がる血管構造と脂肪細胞の増生もみられた.Spindle cell lipomaなどの皮下軟部腫瘍が鑑別に挙げられたが腫瘍細胞核内にSTAT6染色陽性であったことからsolitary fibrous tumorと診断した.Solitary fibrous tumorは比較的稀な中間悪性群に分類される軟部腫瘍であり,組織的な亜型を有することから他の軟部腫瘍と鑑別を要する.Solitary fibrous tumorが疑われる場合は積極的にSTAT6染色を行う必要があると考えた.
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