Japanese
English
症例報告
一部に色素斑を認めたdesmoplastic trichoepitheliomaの1例
A case of desmoplastic trichoepithelioma with pigment spots
堀内 あゆみ
1,2
,
長谷川 道子
1
,
田村 敦志
1
Ayumi HORIUCHI
1,2
,
Michiko HASEGAWA
1
,
Atsushi TAMURA
1
1伊勢崎市民病院皮膚科
2産業医科大学皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Isesaki Municipal Hospital, Isesaki, Japan
2Department of Dermatology, University of Occupational and Environmental Health, Kitakyushu, Japan
キーワード:
線維硬化性毛包上皮腫
,
desmoplastic trichoepithelioma
,
色素斑
,
斑状強皮症型基底細胞癌
,
微小囊胞性付属器癌
Keyword:
線維硬化性毛包上皮腫
,
desmoplastic trichoepithelioma
,
色素斑
,
斑状強皮症型基底細胞癌
,
微小囊胞性付属器癌
pp.847-853
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207417
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要約 67歳,男性.右頰部に15×9 mmの辺縁が堤防状に隆起する白色硬化局面があり,中央には帽針頭大の褐色色素斑と小潰瘍を伴っていた.基底細胞癌を疑って生検を行い,組織像よりdesmoplastic trichoepithelioma(DTE)と診断した.全摘切除標本の組織像では腫瘍は真皮内に限局し,増生した膠原線維間に小型で索状の腫瘍胞巣と散在する角質囊腫がみられた.一部の表皮に近い腫瘍胞巣内にはメラニン顆粒を,周囲の間質内にはメラニン顆粒の滴落やメラノファージを認めた.色素斑を伴うDTEは稀で,過去38年間の本邦論文報告25例を検討したが,自験例以外に色素斑やダーモスコピー上,色素性構造を伴う例の報告はなかった.DTEは組織学的に斑状強皮症型基底細胞癌や微小囊胞性付属器癌との鑑別を要することが多いが,自験例のように色素斑の存在により臨床像も類似することがある.過剰な治療を避けるためには術前の慎重な組織学的検討が必要と考えた.
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