Japanese
English
症例報告
顎口虫による皮膚幼虫移行症の1例
A case of creeping disease due to Gnathostoma
矢野 美有
1
,
田畑 伸子
1
,
瀬川 優里恵
2
,
只木 行啓
3
,
長安 英治
4
,
長谷川 英男
5
Miyu YANO
1
,
Nobuko TABATA
1
,
Yurie SEGAWA
2
,
Takayoshi TADAKI
3
,
Eiji NAGAYASU
4
,
Hideo HASEGAWA
5
1仙台赤十字病院皮膚科
2東北大学大学院医学系研究科皮膚科
3みなみ仙台皮膚科クリニック
4宮崎大学医学部感染症学講座寄生虫学分野
5大分大学医学部医学生物学講座
1Division of Dermatology, Japanese Red Cross Sendai Hospital, Sendai, Japan
2Department of Dermatology, Tohoku University Graduate School of Medicine, Sendai, Japan
3Minamisendai Hifuka Clinic, Sendai Japan
4Division of Parasitology, Department of Infectious Diseases, Faculty of Medicine, University of Miyazaki, Miyazaki, Japan
5Department of Biomedicine, Oita University Faculty of Medicine, Yufu, Japan
キーワード:
皮膚幼虫移行症
,
顎口虫
,
シラウオ
Keyword:
皮膚幼虫移行症
,
顎口虫
,
シラウオ
pp.725-729
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207081
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 43歳,男性.宮城県在住.初診の約3か月前にスーパーで購入したシラウオを生食し,その2か月後から体幹に赤みを伴う移動性の腫脹が出現した.紅斑の進行方向側を正常部分をかけて約4cm切除したところ,病理標本において真皮浅層に虫体の断面が確認された.断面の所見から顎口虫と考えられ,シラウオに寄生した顎口虫を摂取したことによる皮膚幼虫移行症と診断した.切除後皮疹は速やかに消失し,再発はない.シラウオ生食に関連すると思われる皮膚幼虫移行症は,シラウオの産地である秋田県や青森県からの報告が多いが,市場に流通すれば地域に関係なく発症することが考えられる.これらの地域以外にも,シラウオの生食により皮膚幼虫移行症が発生しうることの周知が必要である.
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.