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Rinsho Hifuka Volume 79, Issue 2 （February 2025）

臨床皮膚科 79巻2号（2025年2月発行）

Japanese English

症例報告

Creeping diseaseの3例 Three cases of creeping disease 太田志野 ¹ , 和田麻依 ¹ , 松井はるか ¹ , 田中美緒 ² , 丸山治彦 ² , 長谷川英男 ³ , 河原由恵 ¹ Shino OTA ¹ , Mai WADA ¹ , Haruka MATSUI ¹ , Mio TANAKA ² , Haruhiko MARUYAMA ² , Hideo HASEGAWA ³ , Yoshie KAWAHARA ¹ ¹けいゆう病院皮膚科 ²宮崎大学医学部感染症学講座寄生虫学分野 ³大分大学医学部医学生物学講座 ¹Division of Dermatology, Keiyu Hospital, Yokohama, Japan ²Division of Parasitology, Department of Infectious Disease, Faculty of Medicine, University of Miyazaki, Miyazaki, Japan ³Department of Biomedicine, Faculty of Medicine, Oita University, Yufu, Japan キーワード： Creeping disease , 顎口虫 , 血清抗体検査 Keyword: Creeping disease , 顎口虫 , 血清抗体検査 pp.159-164

発行日 2025年2月1日 Published Date 2025/2/1

DOI https://doi.org/10.11477/mf.002149730790020159

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要約　30〜70歳台の男女．3症例ともに魚の生食機会が多く，腹部や大腿部の線状紅斑を主訴に受診した．臨床所見からcreeping diseaseを疑い，紅斑先端部を切除し，症例1では虫体を切除しえたが，他2症例では切除できずイベルメクチンの内服にて加療し治癒した．原因虫種は，症例1では虫体の形態学的所見から日本顎口虫と同定し，他2症例は生食歴および血清学的検査の結果から顎口虫あるいは何らかの線虫と推定した．虫種の同定に関しては従来，半定量酵素抗体法による血清学的検査の感度が高いとされていた．しかし近年の顎口虫症においては28.6%と陽性率が低下しており，実際に自験例の症例1でも抗顎口虫抗体陰性であった．血清学的検査のみでの虫種同定は難しく，生食歴や虫体の形態学的所見を含め総合的に判断することが重要であると考えた．