Japanese
English
原著
皮膚顎口虫症
Gnathostomiasis Cutis
出光 俊郎
1
,
相沢 晴美
2
Toshio DEMITSU
1
,
Harumi AIZAWA
2
1公立佐沼病院皮膚科
2東北大学医学部皮膚科教室
1Division of Dermatology, Sanuma Hospital
2Department of Dermatology, School of Medicine, Tohoku University
pp.255-260
発行日 1985年3月1日
Published Date 1985/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203220
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
皮膚顎口虫症(creeping disease型)の1例を報告し,併せて本邦における最近5年間の顎口虫症31例につき若下の統計的観察を試みた.症例は64歳,男.胃潰瘍治療の目的で約1カ月半にわたりドジョウを生食したところ,躯幹に線状紅斑ならびに蕁麻疹様皮疹が出現した.病理組織学的には著明な好酸球浸潤を認め,免疫血清学的検査では顎口虫抗原と患者血清との間に沈降線が得られた.従来,感染源としてはライギョが重要視されていたが,近年ドジョウの生食による本症の報告が相次ぎ,また,病型に関しても従来の長江浮腫型に代わってcreeping discasc型が増加してきている.わが国における食生活の変遷とともに感染源の多様性が示唆され,淡水魚の生食を禁止するなどの公衆衛生学的対策が必要であると考える.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.