抗顎口虫抗体陽性で診断，イベルメクチン内服が奏効したCreeping Diseaseの1例

Creeping disease diagnosed by immunoassay and successfully treated with ivermectin

74歳，男性。不規則な線状の紅斑が左側胸部から背部に伸びていた。Creeping diseaseを疑い，背部の紅斑から皮膚生検するも虫体を検出できず，超音波およびCTによる画像検査でも虫体を確認できなかった。血清抗体検査で抗顎口虫抗体が陽性で，顎口虫によるcreeping diseaseと診断，イベルメクチン内服で治癒した。過去の報告例では生検による虫体検出率よりも血清抗体検査による検出率のほうが高く，creeping diseaseの診断において血清抗体検査が有用であると思われた。また，外科的に虫体を摘除できない症例ではイベルメクチン内服治療が有用であると考えた。