Japanese
English
症例報告
皮膚病変にミノサイクリン内服が奏効したサルコイドーシスの1例
A case of sarcoidosis with cutaneous lesions successfully treated with minocycline
川島 裕平
1
,
塩味 由紀
1
,
藤尾 由美
1
,
木花 いづみ
1
Yuhei KAWASHIMA
1
,
Yuki SHIOMI
1
,
Yumi FUJIO
1
,
Izumi KONOHANA
1
1平塚市民病院皮膚科
1Division of Dermatology, Hiratsuka City Hospital, Hiratsuka, Japan
キーワード:
サルコイドーシス
,
皮膚サルコイド
,
ミノサイクリン
,
Propionibacterium acnes
Keyword:
サルコイドーシス
,
皮膚サルコイド
,
ミノサイクリン
,
Propionibacterium acnes
pp.311-316
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205355
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要約 58歳,女性.10年前に眼・肺所見よりサルコイドーシスと診断された.数年前より上下肢に自覚症状のない紅斑,皮下結節が出現した.拡大傾向を示し,組織学的所見から局面型,皮下型の混在する皮膚サルコイドと診断した.ミノサイクリン100mgの内服を開始し,2か月で淡く紅斑が残存するものの改善傾向を示し,皮下結節も消退傾向を示した.また,活動性指標となる血清リゾチーム値の低下も認められた.本邦における皮膚サルコイドに対してミノサイクリンが有効であった症例をまとめ,その作用機序についても若干の考按を行った.皮膚病変にミノサイクリンが有効な機序として,サルコイドーシス発症との関連が注目されているPropionibacterium acnesに対する抗菌作用,抗炎症作用,リンパ球抑制作用,肉芽腫形成抑制作用が考えられた.皮膚サルコイドの治療に際しては,ミノサイクリン投与も検討すべきと考えられた.
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