ケース・スタディ
緑膿菌による腹膜透析関連腹膜炎に対して,PDカテーテル抜去後に難治性の手術部位感染を発症した1例
栗原 重和
1
,
澤 直樹
1
1 虎の門病院分院腎センター内科
キーワード:
腹膜透析
,
非結核性抗酸菌症
,
Mycobacterium abscessus
,
創部感染
Keyword:
腹膜透析
,
非結核性抗酸菌症
,
Mycobacterium abscessus
,
創部感染
pp.1568-1573
発行日 2023年12月10日
Published Date 2023/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002839
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症 例:76歳,男性
主 訴:発熱,腹痛
既往歴:50歳;2型糖尿病,64歳;糖尿病性腎症,76歳;発作性心房細動
内服薬:フロセミド80 mg,トルバプタン7.5 mg,アルファカルシドール1.25 μg,テルミサルタン80 mg,カルベジロール15 mg,アムロジピン10 mg,エボカルセト1 mg,エソメプラゾールマグネシウム水和物20 mg,モリデュスタットナトリウム75 mg,ワルファリン3.5 mg,デュラグリチド0.75 mg/週1回,インスリングラルギン 夕食前2単位
現病歴:糖尿病性腎症の進行により,2年前に腹膜透析(PD)導入となった.5カ月前から緑膿菌による出口部感染を起こしゲンタマイシン軟膏を外用していたが出口部の発赤や排膿が持続した.難治性感染のため,1週間前に出口部変更術が行われた.術後から腹痛が続き,手術から1週間後に発熱と排液混濁が出現したためPD関連腹膜炎が疑われ入院となった.
入院時身体所見:身長165 cm,体重70 kg,BMI 25.7 kg/m2,意識清明,体温は37.8℃.腹部の創部に圧痛があり,出口部に発赤を認めた.
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