Japanese
English
症例報告
紅皮症を呈したLL型ハンセン病の1例
A case of LL type Hansen's disease presenting erythroderma
山岸 大樹
1
,
河合 徹
1
,
矢野 優美子
1
,
山﨑 正視
2
,
石井 則久
2
,
林 剛生
1
,
三井 浩
1
Hiroki YAMAGISHI
1
,
Toru KAWAI
1
,
Yumiko YANO
1
,
Masashi YAMAZAKI
2
,
Norihisa ISHII
2
,
Yoshio HAYASHI
1
,
Hiroshi MITSUI
1
1東京逓信病院皮膚科
2国立療養所多磨全生園
1Devision of Dermatology, Tyokyo Teishin Hospital, Tokyo, Japan
2National Sanatorium Tamazenshoen Higashimurayama, Japan
キーワード:
ハンセン病
,
紅皮症
Keyword:
ハンセン病
,
紅皮症
pp.1101-1106
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206854
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 51歳,女性,フィリピン出身.既往に2型糖尿病,高血圧症.初診の2年前から腹部の皮疹を自覚,次第に癒合しながら顔面にも拡大した.ステロイド外用を行っていたが改善しないため,当院を受診した.初診時,癒合傾向のある境界明瞭な紅斑が全身に及び,紅皮症を呈していた.病理組織学的には,真皮に乾酪壊死を伴わない肉芽腫が多数あり,泡沫状の組織球が散見された.真皮の間質と泡沫構造の粘液様空胞内に,Ziehl-Neelsen染色で弱陽性,Fite染色で陽性を示す抗酸菌が凝集していた.採取した組織のPCR法でMycobacterium lepraeが陽性であった.また,皮膚スメア検査で抗酸菌が強陽性,血清抗PGL-1抗体は512倍で陽性であった.以上より,紅皮症を呈したLL型ハンセン病と診断した.現在,リファンピシン,クロファジミン,ジアフェニルスルホンによる多剤併用療法を開始し経過を追っている.本症の流行地域から来日した外国人で紅皮症を呈する場合,鑑別診断にハンセン病を挙げる必要がある.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.