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あとがき
大山 学
pp.710
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207387
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つい先日「あとがき」を書かせていただいたと思っていたら,「次号の執筆お願いいたします」との連絡を受けました.“Time flies”とは言いますが,今年は特に公私ともどもさまざまなことがあったので,本当にあっという間に半分が過ぎてしまった印象を持っています.
私たち,医療従事者は忙しい日常を過ごしており,ともすれば世の動きに疎くなりがちですが,いざ世界に目を向けてみると多くの命が失われている紛争や,貧富の格差,異常気象,人権問題など,ほんの10年,20年前にはなかった危機的な問題が数多くあるのがわかります.その多くは生命の存在を脅かす(あるいは,脅かしかねない)深刻な事態です.日本では,さらなる症状改善やQOLの向上を目指して,多くの分子標的薬や生物学的製剤が次々に登場してきています.それ自体は,とても素晴らしいことであると思います.その一方で,基本的な輸液すらままならない状況で医療活動をせざるを得ない状況もあることを私たちは忘れてはならないと思います.
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