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増刊号特集 最近のトピックス2022 Clinical Dermatology 2022
4.皮膚疾患治療のポイント
全身性強皮症のリツキシマブによる治療
Treatment of systemic sclerosis with rituximab
吉崎 歩
1
Ayumi YOSHIZAKI
1
1東京大学大学院医学系研究科・医学部皮膚科学
1Department of Dermatology, The University of Tokyo Graduate School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
全身性強皮症
,
医師主導治験
,
B細胞
,
リツキシマブ
,
A-Cube
Keyword:
全身性強皮症
,
医師主導治験
,
B細胞
,
リツキシマブ
,
A-Cube
pp.111-116
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206664
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summary
全身性強皮症(systemic sclerosis:SSc)は皮膚と内臓諸臓器に線維化を来す膠原病である.これまでに十分な治療法が開発されていなかったため,患者の予後は悪く,いわゆる難病として厚生労働省の定める特定疾患に指定されている.SScの病態機序には,いまだ未解明な部分が多いが,われわれを含めた国内外における多くの研究者から,免疫系を構築するリンパ球の1つである,B細胞が重要な役割を果たしていることが示されている.そこでわれわれは,B細胞除去作用を持つ抗CD20抗体製剤であるリツキシマブを用いたSSc治療に着想した.われわれが中心となって実施した,SScに対するリツキシマブを用いた治験は,SScに対するB細胞除去療法の有効性を証明するものであった.本稿では,SScの病態におけるB細胞の重要性に触れながら,世界に先駆けて本邦において新しいSSc治療薬となったリツキシマブの有効性を概説した.
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