Japanese
English
症例報告
大細胞神経内分泌癌の皮膚転移と考えられた1例
A probable case of skin metastasis of large cell neuroendocrine carcinoma
早川 道太郎
1
,
鈴木 千尋
1
,
椎山 理恵
1
,
安西 秀美
1
Michitaro HAYAKAWA
1
,
Chihiro SUZUKI
1
,
Rie SHIIYAMA
1
,
Hidemi ANZAI
1
1川崎市立井田病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kawasaki Municipal Ida Hospital, Kawasaki, Japan
キーワード:
大細胞神経内分泌癌
,
皮膚転移
Keyword:
大細胞神経内分泌癌
,
皮膚転移
pp.327-332
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206622
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要約 75歳,男性.当院内科入院中に,右側腹部の皮下腫瘤を指摘され当科を紹介受診した.初診時,右側腹部に,径80mm大で表面が紫紅色,下床との可動性良好な弾性硬の皮下腫瘤を触知した.同腫瘤からの生検標本では,病理組織学的に,多数の核分裂像と壊死を伴った神経内分泌形態を示し,神経内分泌マーカーであるクロモグラニンA,シナプトフィジン陽性の腫瘍細胞がみられた.また,造影CTにて,左肺尖部に径26mmの結節影,肝両葉に不均一造影効果を有する多発腫瘤影および右側腹部に同様の造影効果を呈する63×40mmの皮下腫瘤を認めた.以上の所見から,肺原発の大細胞神経内分泌癌の皮膚,肝転移と診断した.本症の既報の多くは肺原発であり,転移巣は肝臓や骨,脳が好発する.原発・転移巣ともに皮膚での発生報告はきわめて稀であるが,皮膚転移を有する症例の半数が皮膚生検を機に診断されており,皮膚科医が本疾患をよりいっそう認知することが必要と考える.
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