Japanese
English
症例報告
皮膚・皮下浸潤を契機に診断した副鼻腔癌の2例
Two cases of paranasal sinus cancer diagnosed from dermal and subcutaneous infiltration
塔筋 恵実
1
,
米井 希
1
Emi TOSUJI
1
,
Nozomi YONEI
1
1公立那賀病院皮膚科
1Division of Dermatology, Naga Municipal Hospital Wakayama, Japan
キーワード:
副鼻腔癌
,
前頭洞癌
,
上顎洞癌
,
皮膚・皮下浸潤
Keyword:
副鼻腔癌
,
前頭洞癌
,
上顎洞癌
,
皮膚・皮下浸潤
pp.333-337
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206623
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要約 症例1:67歳,女性.初診2か月前から前額皮下腫瘤が出現し,徐々に増大してきたため当科受診.CT検査,皮膚生検を行い,前頭洞癌の皮下浸潤と診断した.症例2:86歳,女性.左鼻翼部の紅色腫瘤を主訴に当科を紹介され受診した.上顎洞癌の皮膚浸潤と診断した.副鼻腔癌の皮膚・皮下浸潤をきたした報告は,本邦では自験例を含め13例と非常に稀である.皮下浸潤をきたした副鼻腔癌はstage 4であり,約半数は死の転帰をとり予後不良であるが,近年,頭頸部癌に対してペムブロリズマブ等の免疫チェックポイント阻害薬による新たな治療法が確立され,予後の改善が期待される.進行期の副鼻腔癌であっても一概に予後不良とは言い切れず,皮膚科を初診した場合に早期診断をすることの意義は大きい.顔面に下床と可動性不良の皮膚・皮下腫瘍を診た際は,副鼻腔癌の皮膚浸潤も念頭に置き早期に診断し,耳鼻科での根治的治療につなげることが肝要である.
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