Japanese
English
症例報告
Fumarate hydratase (FH)遺伝子変異が同定された多発性皮膚平滑筋腫の1例
A case of multiple cutaneous leiomyomas caused by a mutation in the fumarate hydratase(FH)gene
寺尾 香菜
1
,
林 良太
1
,
横山 令
1
,
安齋 理
1
,
結城 明彦
1
,
濱 菜摘
1
,
久保田 葉子
2
,
阿部 理一郎
1
Kana TERAO
1
,
Ryota HAYASHI
1
,
Rei YOKOYAMA
1
,
Osamu ANSAI
1
,
Akihiko YUKI
1
,
Natsumi HAMA
1
,
Yoko KUBOTA
2
,
Riichiro ABE
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野
2つばめ皮フ科
1Division of Dermatology, Niigata University Graduate School of Medical and Dental Sciences, Niigata, Japan
2Tsubame Clinic, Tsubame, Japan
キーワード:
多発性皮膚平滑筋腫
,
FH遺伝子
,
遺伝性平滑筋腫症・腎細胞癌症候群
Keyword:
多発性皮膚平滑筋腫
,
FH遺伝子
,
遺伝性平滑筋腫症・腎細胞癌症候群
pp.235-239
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206600
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要約 53歳,女性.多発性子宮筋腫により子宮全摘後.10年前から左下顎に弾性硬の紅色結節が多発し,53歳時に結節の増大を認めた.前医および当科で施行した生検組織では,真皮内の結節性病変内に平滑筋線維束が縦横に錯綜し,腫瘍細胞はデスミン,SMAが陽性であったことから,多発性皮膚平滑筋腫と診断した.さらに,遺伝子解析でフマル酸ヒドラターゼ(fumarate hydratase:FH)遺伝子のexon5に既知のミスセンス変異c.584T>C(p.Met195Thr)heterozygousを同定し,多発性皮膚平滑筋腫・子宮筋腫と診断した.FH遺伝子に変異を有する皮膚平滑筋腫患者の家系では,子宮筋腫や腎細胞癌の合併頻度が高く,腎細胞癌の合併は予後規定因子となるため,定期的な画像検索が必要である.特に子宮筋腫の合併のある患者,家系内に腎細胞癌患者やFH遺伝子変異の同定された患者がいる場合には,FH遺伝子変異の有無につき積極的に解析すべきと考える.
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