Japanese
English
症例報告
ケラチン5遺伝子変異を同定した単純型表皮水疱症の1例
A case of epidermolysis bullosa simplex with a mutation in the KRT5 gene
片桐 芽衣子
1
,
林 良太
1
,
下村 裕
1
,
佐藤 信之
2
,
伊藤 雅章
1
Meiko KATAGIRI
1
,
Ryota HAYASHI
1
,
Yutaka SHIMOMURA
1
,
Nobuyuki SATO
2
,
Masaaki ITO
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野
2のぶ皮膚科クリニック
1Division of Dermatology, Niigata University Graduate School of Medical and Dental Sciences, Niigata, Japan
2Nobu Skin Clinic, Niigata, Japan
キーワード:
単純型表皮水疱症
,
ケラチン5遺伝子
,
ミスセンス変異
Keyword:
単純型表皮水疱症
,
ケラチン5遺伝子
,
ミスセンス変異
pp.955-960
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204922
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要約 生後8日男児.生後1日より臀部から仙骨部に瘢痕を残さない水疱が出現し,徐々に手足に拡大した.家族内に同症なし.臨床像,病理組織像,蛍光抗体法より単純型表皮水疱症と診断し,遺伝子解析を施行した結果,ケラチン5遺伝子のエクソン2に既知の変異c. 556G>T(p. Val186Leu)がヘテロで同定された.ケラチン5遺伝子変異による単純型表皮水疱症は常染色体優性遺伝性疾患であるが,患者の両親には同変異が同定されなかったことからde novoで生じた変異と考えられた.さらに,培養細胞を用いた解析で,変異型ケラチン5蛋白の発現パターンの異常が認められた.本解析によって,日本人における本疾患の遺伝的背景がさらにアップデートされた.また,変異型ケラチン5蛋白の培養細胞内での動態を明らかにしたことは,重症度と遺伝子型との相関関係を検討する上でも有用な知見と考えられる.
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