Japanese
English
症例報告
バンコマイシン誘発性線状IgA水疱性皮膚症と考えた1例
A case of linear IgA bullous dermatosis probably induced by vancomycin
安達 夏紀
1
,
池田 英里
1
,
梅垣 知子
1
,
石崎 純子
1
,
山上 淳
2
,
田中 勝
1
Natsuki ADACHI
1
,
Eri IKEDA
1
,
Noriko UMEGAKI
1
,
Sumiko ISHIZAKI
1
,
Jun YAMAGAMI
2
,
Masaru TANAKA
1
1東京女子医科大学附属足立医療センター皮膚科
2慶應義塾大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University Adachi Medical Center, Tokyo, Japan
2Department of Dermatology, Keio University, Tokyo, Japan
キーワード:
線状IgA水疱性皮膚症
,
塩酸バンコマイシン
,
薬剤誘発性
,
7型コラーゲン
Keyword:
線状IgA水疱性皮膚症
,
塩酸バンコマイシン
,
薬剤誘発性
,
7型コラーゲン
pp.231-234
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206599
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要約 88歳,男性.ペースメーカー感染に対し塩酸バンコマイシン(VCM)を15日間投与したが,感染症状は改善せず,抗菌薬をメロペネムに変更された.その2日後,四肢に浮腫性紅斑と緊満性水疱を生じた.病理組織学的には好酸球主体の炎症細胞浸潤を伴う表皮下水疱であり,蛍光抗体直接法で表皮基底膜部にIgAとC3の線状沈着がみられた.抗菌薬中止後,紅斑・水疱は速やかに軽快した.経過から,薬剤誘発性線状IgA水疱性皮膚症(linear IgA bullous dermatosis:LABD)と診断した.薬剤誘発性LABDは,原因の約半数がVCMである.VCMの発症への関与の検討には,VCM添加下での蛍光抗体間接法と7型コラーゲンに対するELISA法が有用とされている.自験例では,水疱治癒後の血清を用いた検討を行ったが陰性であった.原因の特定には,水疱出現時の血清を用いることが重要と考えられた.
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