Japanese
English
症例報告
左膝に生じたグロムス腫瘍の1例
A case of glomus tumor on the left knee
吉村 智子
1
,
吉原 渚
1
,
池田 志斈
1
Tomoko YOSHIMURA
1
,
Nagisa YOSHIHARA
1
,
Shigaku IKEDA
1
1順天堂大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, Juntendo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
グロムス腫瘍
,
有痛性皮膚腫瘍
Keyword:
グロムス腫瘍
,
有痛性皮膚腫瘍
pp.240-244
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206601
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要約 86歳,女性.初診約2か月前に左膝に受傷した.その後同部位に疼痛を伴うしこりを自覚し,当科を受診した.初診時,左膝に4mm大,自発痛を伴う紅色ドーム状丘疹がみられた.病理組織学的所見では,真皮内に周囲と境界明瞭な結節状病変がみられた.結節内部には好酸性から両染性の立方体の胞体と類円形の核を有する腫瘍細胞が密に増殖していた.また腫瘍巣には拡張した血管腔がみられた.免疫染色において,腫瘍細胞はαSMA陽性,デスミン陰性であった.以上よりグロムス腫瘍と診断した.2008〜2019年で医学中央雑誌で調べえた範囲で皮膚単発性グロムス腫瘍337件中,自験例と同じ膝に発生した症例は2.1%と比較的稀であった.疼痛を伴う皮膚腫瘍の発生部位が手指足趾以外であっても,グロムス腫瘍を鑑別疾患として考える必要がある.
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