Japanese
English
症例報告
シクロスポリンとミノサイクリンの併用内服が有用であったGraham-Little症候群の1例
A case of Graham-Little syndrome successfully treated with combination therapy of cyclosporine and minocycline
後藤 瑞生
1
,
佐藤 崇興
1
,
西田 陽登
2
,
内藤 玲子
3
,
今福 信一
3
,
波多野 豊
1
Mizuki GOTO
1
,
Takaoki SATO
1
,
Haruto NISHIDA
2
,
Reiko NAITO
3
,
Shinichi IMAFUKU
3
,
Yutaka HATANO
1
1大分大学医学部皮膚科学講座
2大分大学医学部診断病理学講座
3福岡大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Oita University, Yufu, Japan
2Department of Diagnostic Pathology, Faculty of Medicine, Oita University, Yufu, Japan
3Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Fukuoka University, Fukuoka, Japan
キーワード:
原発性瘢痕性脱毛症
,
Graham-Little症候群
,
シクロスポリン
,
ミノサイクリン
Keyword:
原発性瘢痕性脱毛症
,
Graham-Little症候群
,
シクロスポリン
,
ミノサイクリン
pp.923-927
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206499
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要約 47歳,女性.約20年前より頭部に膿疱を伴う脱毛を生じ,プレドニゾロンやミノサイクリンの内服を含むさまざまな治療を受けていたが,脱毛の範囲は拡大していった.腋窩,外陰部の脱毛も認めるようになり,当科を紹介され受診した.ダーモスコピーではtufted hairを認めた.当科での頭部の皮膚生検では明確な毛包周囲性の炎症細胞は認めなかったが,前医での皮膚生検では毛包周囲にリンパ球浸潤と液状変性を認めた.原発性瘢痕性脱毛症(Graham-Little症候群)と診断し,シクロスポリンの内服を開始した.脱毛の進行は停止したが,炎症所見が残存したため,ステロイド内服を追加したところ,皮疹が増悪した.ステロイド内服中止し,ミノサイクリン内服を追加したところ,炎症所見はほぼ落ち着いた.ステロイド抵抗性の原発性瘢痕性脱毛症にはシクロスポリンとミノサイクリンの併用が有効であると思われた.
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