Japanese
English
症例報告
シクロスポリン短期間内服が奏効した薬剤性過敏症症候群の1例
A case of drug-induced hypersensitivity syndrome successfully treated with short-term oral cyclosporine
北内 裕里恵
1
,
熊谷 宜子
1
,
増田 容子
1
,
横山 知明
1
Yurie KITAUCHI
1
,
Yoshiko KUMAGAI
1
,
Yoko MASUDA
1
,
Tomoaki YOKOYAMA
1
1静岡市立清水病院皮膚科
1Division of Dermatology, Shizuoka Municipal Shimizu Hospital, Shizuoka, Japan
キーワード:
DIHS
,
DRESS
,
シクロスポリン
,
カルバマゼピン
,
ステロイド
Keyword:
DIHS
,
DRESS
,
シクロスポリン
,
カルバマゼピン
,
ステロイド
pp.897-903
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206809
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要約 56歳,男性.三叉神経痛に対してカルバマゼピン(テグレトール®)内服開始6週後より体幹,四肢にびまん性に小指頭大の紅斑が出現した.カルバマゼピン中止後も発熱,白血球・好酸球・肝酵素上昇,紅斑拡大・融合が続いた.臨床症状と検査所見より非典型薬剤性過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome:DIHS)と考え,シクロスポリン(CyA)200mg/日(3mg/kg/日)投与を開始,1週間で終了した.投与開始後急速に症状は改善し,内服終了後も再燃はみられていない.DIHSに対するCyA短期内服治療例では,いずれの症例でも,症状の改善が早く,再燃や副作用は報告されていない.また海外では,DRESSにおいてステロイド全身投与例と比較して,CyA投与例のほうが皮疹,血液検査所見の改善までの期間・入院期間が短い傾向があった.これまでに報告症例数は少なく,自己免疫疾患の発症など長期予後について検討が必要だが,DIHSにおけるCyA短期投与も新たな選択肢と考える.
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