Japanese
English
症例報告
難治性の瘙痒に対してシクロスポリンが奏効した結節性類天疱瘡の1例
A case of pemphigoid nodularis with refractory pruritus successfully treated with cyclosporin
佐藤 崇興
1
,
酒井 貴史
1,2
,
波多野 豊
1
Takaoki SATO
1
,
Takashi SAKAI
1,2
,
Yutaka HATANO
1
1大分大学医学部皮膚科学講座
2大分県立病院皮膚科
1Depertment of Dermatology, Faculty of Medicine, Oita University, Yufu, Japan
2Division of Dermatology, Oita Prefectural Hospital, Oita, Japan
キーワード:
結節性類天疱瘡
,
シクロスポリン
Keyword:
結節性類天疱瘡
,
シクロスポリン
pp.129-133
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205636
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要約 87歳,女性.初診の8か月前から上肢に瘙痒性皮疹が出現し,全身に拡大した.近医にて抗ヒスタミン薬,ステロイド外用剤で加療されるも難治で,瘙痒に伴う不眠に悩まされていた.当院初診時,顔面を除く略全身に大豆大までの一部痂皮を伴う暗赤色丘疹が多発し,左上肢に米粒大の緊満性水疱を認めた.病理組織検査,蛍光抗体法,血清抗体価より結節性類天疱瘡と診断した.プレドニゾロン20mg/日,ニコチン酸アミド,テトラサイクリン塩酸塩の投与で皮疹は徐々に軽快したが,瘙痒,不眠が遷延した.シクロスポリン100mg(1.75mg/kg)/日(分2朝夕食前投与)を併用したところ,瘙痒が消失し,十分な睡眠時間を確保できるようになった.シクロスポリンの投与方法の工夫により,より少量の投薬で,結節性類天疱瘡の難治性瘙痒,皮疹に対して効果がある可能性が示唆された.
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