Japanese
English
症例報告
シクロスポリン,塩酸ミノサイクリンおよびニコチン酸アミドの併用療法が奏効した抗ラミニン5型粘膜類天疱瘡の1例
A case of anti-laminin5 mucous membrane pemphigoid successfully treated with a combination of cyclosporine, minocycline hydrochloride and nicotinamide
大関 正彦
1
,
伊藤 治夫
1
,
齊藤 玲子
1
,
田中 勝
1
,
原田 敬之
1
,
小野沢 基太郎
2
,
橋本 隆
3
Masahiko OZEKI
1
,
Haruo ITO
1
,
Reiko SAITO
1
,
Masaru TANAKA
1
,
Takashi HARADA
1
,
Kitaro ONOZAWA
2
,
Takashi HASHIMOTO
3
1東京女子医科大学東医療センター皮膚科
2東京女子医科大学東医療センター歯科口腔外科
3久留米大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University Medical Center East, Tokyo, Japan
2Department of Dental Surgery, Tokyo Women's Medical University Medical Center East, Tokyo, Japan
3Department of Dermatology, Kurume University School of Medicine, Kurume, Japan
キーワード:
粘膜類天疱瘡
,
シクロスポリン
,
塩酸ミノサイクリン
,
ニコチン酸アミド
,
抗ラミニン5抗体
Keyword:
粘膜類天疱瘡
,
シクロスポリン
,
塩酸ミノサイクリン
,
ニコチン酸アミド
,
抗ラミニン5抗体
pp.129-132
発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101875
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要約 硬口蓋の多発性水疱および,びらんを主訴に受診した75歳,女性.疼痛のため食事摂取が困難であった.眼瞼眼球間の結膜癒着を両側性に認めた.全身皮膚に異常なく,外陰部に粘膜疹はなかった.病理組織学的には,粘膜上皮下に水疱を認め,粘膜固有層に炎症細胞浸潤を伴った.ELISAにて抗デスモグレイン1および3抗体ともに陰性.蛍光抗体直接法にてIgG,IgM,C3はいずれも陰性であった.蛍光抗体間接法では,IgG抗体は陰性であったが,IgA抗体は1M食塩水剝離皮膚を基質とすると,表皮側に線状に陽性であった.ラミニン5を用いた免疫ブロット法では,γ2サブユニットにIgGが陽性であったため,粘膜類天疱瘡と診断した.シクロスポリン(ネオーラル (R))100mg/日投与を開始し,さらに塩酸ミノサイクリンとニコチン酸アミドも併用し,良好な経過を得ている.
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