Japanese
English
症例報告
繰り返す筋肉内血腫を契機に診断した後天性血友病Aの1例
A case of acquired hemophilia A diagnosed by recurrent intramuscular hematoma
中内 恵美
1
,
西岡 美南
1
,
髙橋 甲介
1
,
岩平 紘佳
1
,
植木 結香里
1
,
山本 哲久
1
,
今戸 健人
2
Emi NAKAUCHI
1
,
Mina NISHIOKA
1
,
Kosuke TAKAHASHI
1
,
Hiroka IWAHIRA
1
,
Yukari UEKI
1
,
Akihisa YAMAMOTO
1
,
Takehito IMADO
2
1宝塚市立病院皮膚科
2宝塚市立病院血液内科
1Division of Dermatology, Takarazuka City Hospital, Takarazuka, Japan
2Division of Hematology, Takarazuka City Hospital, Takarazuka, Japan
キーワード:
後天性血友病A
,
紫斑
,
筋肉内血腫
,
第Ⅷ因子
Keyword:
後天性血友病A
,
紫斑
,
筋肉内血腫
,
第Ⅷ因子
pp.855-859
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206486
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要約 69歳,男性.特に誘因なく右臀部などに紫斑と同部の腫脹を認めたため当科を受診した.MRIで右大臀筋内血腫を認めた.2か月後の再診時に,同部の血腫は徐々に縮小していたが,左大腿直筋内に新たな血腫を認めた.血液検査にて,血小板数やPTは正常,貧血とAPTTの延長を認めたため,後天性血友病Aを疑い血液内科に紹介した.第Ⅷ因子活性の低下,第Ⅷ因子インヒビター陽性の結果から,後天性血友病Aと診断された.遺伝子組み換え活性型凝固第Ⅶ因子製剤とプレドニゾロンによる治療にて寛解となった.後天性血友病Aは第Ⅷ因子に対する自己抗体が出現し,しばしば重篤な出血症状を呈する疾患である.初発症状として紫斑や筋肉内血腫を呈する頻度が高く,皮膚科を受診することもある.高齢者に誘因なく血腫が出現し,APTTの延長を認めた場合は,本疾患を疑い,速やかに専門医へ紹介することが重要である.
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