Japanese
English
症例
劇症型溶血性レンサ球菌感染症の1例
Streptococcal toxic shock syndrome
佐藤 あゆみ
1
,
上田 沙紀
1
,
中内 恵美
1
,
西岡 美南
1
,
山本 哲久
1
,
塚本 吉胤
2
Ayumi SATO
1
,
Saki UEDA
1
,
Emi NAKAUCHI
1
,
Mina NISHIOKA
1
,
Akihisa YAMAMOTO
1
,
Yoshitane TSUKAMOTO
2
1宝塚市立病院,皮膚科(主任:山本哲久主任部長)
2大阪済生会富田林病院,病理診断科
キーワード:
A群溶血性レンサ球菌
,
emm1型
,
M蛋白
,
劇症型溶血性レンサ球菌感染症
Keyword:
A群溶血性レンサ球菌
,
emm1型
,
M蛋白
,
劇症型溶血性レンサ球菌感染症
pp.1729-1732
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004215
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70歳,女性。発熱,両鼠径部鈍重感,右下肢紫斑を主訴に救急搬送された。速やかなデブリードマンと抗菌薬投与を行うも2日後に死亡した。創部からA群溶血性レンサ球菌を検出し,A群溶血性レンサ球菌の病原因子の1つM蛋白をコードするemm遺伝子の解析より,emm1型A群溶血性レンサ球菌の劇症型溶血性レンサ球菌感染症と診断した。emm1型は,世界的に劇症型溶血性レンサ球菌感染症を引き起こし,症例数が多く,予後不良な型である。自験例は,発症約2カ月前に,右踵でクギを踏んだ既往があったが,このように菌の侵入から劇症型溶血性レンサ球菌感染症発症までの期間が明確な報告はまれである。emm遺伝子型の解析は,ワクチン開発などの有効な対策の確立や抗菌薬耐性菌の出現状況を把握するために重要な情報と考える。
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