Japanese
English
臨床経験
原因不明な大腿部筋肉内血腫の2症例
An Unexplained Intramuscular Hematoma of the Thigh : A Report of Two Cases
松久 孝行
1
,
山下 博樹
1
,
吉川 浩二
1
,
森 雄二郎
1
Takayuki Matsuhisa
1
1昭和大学藤が丘病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Showa University Fujigaoka Hospital
キーワード:
intramuscular hematoma
,
筋肉内血腫
,
intermediate vastus muscle
,
中間広筋
Keyword:
intramuscular hematoma
,
筋肉内血腫
,
intermediate vastus muscle
,
中間広筋
pp.807-811
発行日 2000年6月25日
Published Date 2000/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903025
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抄録:スポーツ選手に発生した,原因が明らかでない大腿部筋肉内血腫の2症例を経験したので報告する.症例1:24歳,男性.大工.スポーツ;空手.1998年2月,入浴後より急に左大腿部の腫張,疼痛が出現.症例2:14歳,男性.中学生.スポーツ;サッカー.1998年2月,特に誘因なく右大腿部外側の腫張,疼痛が出現.2症例ともに,大腿外側に腫張を認めるも,単純X線像,血液検査では異常所見は認めなかった.MRIではT1で辺縁がhighで,内部はlow intensityを呈する境界明瞭な占拠性病変を認めた.T2では腫瘤は境界不明瞭であり,辺縁はhigh,内部はlow~淡いhigh intensityを呈しており,周囲の筋層には浮腫を示唆するhigh intensity areaを認めた.両症例ともにMRIの経時的変化により占拠性病変は血腫と診断し,安静加療のみで症状は軽快した.2症例ともに,文献的にも極めて稀な症例で,これまでほとんど報告されていない.
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