増大号 匠から学ぶ 血栓止血検査ガイド
5章 疾患まとめ
後天性血友病A
酒井 道生
1
1北九州安部山公園病院
キーワード:
後天性血友病A
,
FⅧインヒビター
,
APTTクロスミキシング試験
,
APTT交差混合試験
,
抗FⅧ抗体
Keyword:
後天性血友病A
,
FⅧインヒビター
,
APTTクロスミキシング試験
,
APTT交差混合試験
,
抗FⅧ抗体
pp.1073-1077
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209114
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はじめに
生体内には複数種の血液凝固因子が存在するが,“自己免疫性後天性凝固因子欠乏症”とは,通常は,単独の凝固因子に対する自己抗体の出現によりその機能が低下し,主として出血傾向を呈する疾患群の総称である.理論的には全ての血液凝固因子に対して自己抗体が生じうるが,後天性血友病Aの発症頻度が最も高い.
なお,厚生労働省の指定難病の1つとして,“自己免疫性後天性凝固因子欠乏症”(指定難病288)があり,現在,①“自己免疫性後天性凝固第XIII因子(factor XIII:FXIII)欠乏症”,②“自己免疫性後天性凝固第Ⅷ因子(FⅧ)欠乏症(後天性血友病A)”,③“自己免疫性後天性フォン・ヴィレブランド因子(von Willebrand factor:VWF)欠乏症”,④“自己免疫性後天性凝固第Ⅴ因子(FⅤ)欠乏症”,⑤“自己免疫性後天性凝固第Ⅹ因子(FⅩ)欠乏症”の5疾病がその対象となっている(5章「自己免疫性後天性凝固因子欠乏症」を参照).
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