Japanese
English
症例報告
膵炎を合併した非典型薬剤性過敏症症候群の1例
A case of atypical drug-induced hypersensitivity syndrome with pancreatitis
島田 秀一
1
,
島田 佳奈子
1
,
城野 剛充
1
,
牧野 公治
1
,
上野 茂紀
2
Shuichi SHIMADA
1
,
Kanako SHIMADA
1
,
Takamitsu JOHNO
1
,
Koji MAKINO
1
,
Shigeki UENO
2
1国立病院機構熊本医療センター皮膚科
2国立病院機構熊本医療センター消化器内科
1Division of Dermatology, Kumamoto Medical Center, Kumamoto, Japan
2Division of Gastroenterology, Kumamoto Medical Center, Kumamoto, Japan
キーワード:
薬剤過敏症症候群
,
サラゾスルファピリジン
,
膵炎
Keyword:
薬剤過敏症症候群
,
サラゾスルファピリジン
,
膵炎
pp.861-865
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206487
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要約 30歳台,女性.関節リウマチのためX年7月中旬より近医でサラゾスルファピリジンを内服した.X年8月中旬より38℃台の発熱と皮疹が出現し,肝機能障害と異型リンパ球が出現していたことから近医でウイルス感染症として対症療法が行われた.サラゾスルファピリジンは中止され,ステロイドの全身投与が行われた.その後も発熱と皮疹が改善せず,8月末に当院救急外来を受診した.来院時,発熱と倦怠感に加えて顔面浮腫と口唇周囲の紅斑・鱗屑,略全身の淡い癒合性紅斑がみられた.血液検査では肝機能障害があり,また膵アミラーゼが高値でCT検査ではびまん性の膵腫大がみられた.異型リンパ球4.3%および血液学的異常以外の診断基準を満たし,内服歴・臨床症状等から膵炎を合併した非典型DIHSと考えプレドニゾロン0.5mg/kg/日で治療した.皮疹と肝障害は徐々に軽快し,膵炎も保存的加療で緩徐に軽快した.膵炎は稀ながらもDIHSの重篤な合併症の1つである可能性があり,十分な注意が必要と考える.
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