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あとがき
本田 哲也
pp.830
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206479
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本年4月より,編集委員を担当させていただくことになりました.まだまだ不慣れではありますが,精一杯取り組んで参りますので,どうぞよろしくお願い申し上げます.
編集委員として,「生の」原稿を見させていただくと,自分が初めて書いた論文症例のことを思い出します.私にとっての初めての論文症例は,高圧エアレススプレーガンによって指尖に難治性潰瘍形成をきたした症例です.この皮膚障害は,受傷孔は針穴ほどのごく小さなものですが,高圧で噴射された内容物が組織深くまで浸透し,見た目をはるかに超えた障害が徐々に生じるため,初期治療と十分な経過フォローが重要となります.担当したときはそういったことは全く知らず,またあまり考えもせず,ただただ先輩医師に言われた処置をしていただけでした.手術が終わり潰瘍が治癒して,いざ学会・論文発表を命ぜられて,ようやく初めて調べるといったありさまでした.今現在,医局の若い先生に向かって,担当症例について言われたことだけではなく,自分で教科書的なこと,文献的なこともいろいろ調べるよう言ったりしてますが,自分自身が到底そんなことができていなかったということは,全く棚に上げています.また,論文の作成過程も,今考えると相当悲惨だったように思います.詳細は割愛しますが,….
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