Japanese
English
症例報告
ニボルマブ中止後に著明な好酸球増多を伴い発症した水疱性類天疱瘡の1例
A case of bullous pemphigoid with marked eosinophilia developed after discontinuation of nivolumab
佐藤 一正
1
,
平田 悠
1
,
稲村 衣美
1
,
山口 泰之
1
,
古屋 和彦
1
,
畑中 一映
2
Kazumasa SATO
1
,
Yu HIRATA
1
,
Emi INAMURA
1
,
Yasuyuki YAMAGUCHI
1
,
Kazuhiko FURUYA
1
,
Kazuteru HATANAKA
2
1函館中央病院皮膚科
2市立函館病院消化器内科
1Division of Dermatology, Hakodate Central General Hospital, Hakodate, Japan
2Division of Gastroenterology, Hakodate Municipal Hospital, Hakodate, Japan
キーワード:
ニボルマブ
,
抗PD-1抗体
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
水疱性類天疱瘡
,
好酸球増多
Keyword:
ニボルマブ
,
抗PD-1抗体
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
水疱性類天疱瘡
,
好酸球増多
pp.485-490
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206403
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要約 70歳,男性.2018年5月より,胃癌(cStage ⅣB)の治療としてニボルマブの投与を開始した.腫瘍の縮小に伴って胃全摘手術が行われCRとなり,ニボルマブ投与は2019年8月に中止した.2020年2月より全身の瘙痒感と皮疹を自覚し,2020年3月に当科を受診した.紅皮症と大腿部のびらんがみられ,血清抗BP180抗体価(>1,000U/ml)と好酸球数(12,200/μl)の著明な上昇が認められた.病理組織学的所見も含め,水疱性類天疱瘡と診断した.ステロイド内服開始により皮疹はいったん改善したが,治療開始1月後に皮疹が再燃し,ステロイドパルス療法を行いその後は良好に経過した.自験例は,ニボルマブによる免疫関連有害事象の可能性が考えられた.抗PD-1/PD-L1抗体では,薬剤中止後にも水疱性類天疱瘡が発症する可能性があり,それを念頭に置いて診療することが必要であると考えた.
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