Japanese
English
症例報告
Janeway斑の1例
A case of Janeway lesion
薮内 由季菜
1
,
深谷 早希
1
,
田中 隆光
1
,
鎌田 昌洋
1
,
大西 誉光
1
,
石田 毅
2
,
近藤 福雄
2
,
多田 弥生
1
Yukina YABUUCHI
1
,
Saki FUKAYA
1
,
Takamitsu TANAKA
1
,
Masahiro KAMATA
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Tsuyoshi ISHIDA
2
,
Fukuo KONDO
2
,
Yayoi TADA
1
1帝京大学医学皮膚科学講座
2帝京大学医学部病理診断科
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Pathology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
Janeway斑
,
感染性心内膜炎
Keyword:
Janeway斑
,
感染性心内膜炎
pp.437-442
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206391
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要約 76歳,男性.1か月前から慢性腎不全が悪化し,当院に入院した.前日から両手足の自覚症状のない皮疹に気づき,当科を紹介された.両手足に径1〜2mm大の境界明瞭な一部浸潤のある圧痛のない紫斑が約10か所ずつ散在し,病理組織は真皮全層に好中球優位の炎症細胞浸潤と赤血球の血管外漏出がみられ,真皮中層の血管内に血栓像を認めた.血液培養は陰性で,心エコーで大動脈弁に疣贅と弁輪部膿瘍を認め,弁置換術中の膿汁グラム染色で陽性球菌2+であった.感染性心内膜炎に伴うJaneway斑と診断した.抗菌薬投与と弁置換術が施行されるも第100病日に永眠した.本邦で過去16年間に報告された皮疹を伴った感染性心内膜炎は自験例を含めて22例あり,うち9例(41%)に脳塞栓症を認めた.感染性心内膜炎に伴う敗血症や播種性血管内凝固症候群からの発症が考えられるが,Janeway斑のような皮疹を認める感染性心内膜炎では,高率に脳塞栓症を合併していることがあるので注意する必要がある.
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