Japanese
English
症例報告
アカコッコマダニ刺咬症の1例
A case of human tick bite by Ixodes turdus
宜野座 淳善
1
,
佐藤 洋平
1
,
早川 順
1
,
大山 学
1
Atsuyoshi GINOZA
1
,
Yohei SATO
1
,
Jun HAYAKAWA
1
,
Manabu OHYAMA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
アカコッコマダニ
,
マダニ刺症
,
幼児
Keyword:
アカコッコマダニ
,
マダニ刺症
,
幼児
pp.443-447
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206392
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要約 3歳,女児.項部の“付着物”に母親が気付き当科を受診した.初診時,“付着物”は除去されており,淡い紅斑を認めるのみであった.母親が持参した“付着物”は虫体で口器は虫体側に残存していたため,外科的処置はせずセファクロル600mg/日内服のみを行った.経過は良好であった.後日,虫体はアカコッコマダニと同定された.アカコッコマダニは鳥類などに寄生するマダニであり刺咬症の本邦報告例は10例と比較的稀である.既報告例を検討すると,関東の市街地で刺咬された小児の頭頸部例が多くみられた.これまでアカコッコマダニが媒介するBorrelia turdiによるライム病の報告例はなく,刺咬後の感染症合併のリスクの予測のために積極的に虫体を同定することは有用であると考えた.
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