Japanese
English
症例報告
皮膚カンジダ症の合併により臨床像が修飾された前額部日光角化症の1例
A case of facial actinic keratosis with an atypical clinical presentation due to associated cutaneous candidiasis
宮地 秀明
1
,
青山 和弘
1
,
川島 秀介
1
,
松江 弘之
1
Hideaki MIYACHI
1
,
Kazuhiro AOYAMA
1
,
Shusuke KAWASHIMA
1
,
Hiroyuki MATSUE
1
1千葉大学医学部附属病院皮膚科
1Department of Dermatology, Chiba University Hospital, Chiba, Japan
キーワード:
カンジダ
,
日光角化症
,
皮膚生検
,
イミキモド
,
湿潤環境
Keyword:
カンジダ
,
日光角化症
,
皮膚生検
,
イミキモド
,
湿潤環境
pp.431-436
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206390
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要約 77歳,女性.初診8か月前から左前額部に紅色丘疹が出現し,緩徐に拡大し出血を伴ったため当科受診した.初診時,左前額部に約3cm大の痂皮と膿疱,びらんを伴う紅色局面を認め,真菌培養検査でCandida albicansを検出,皮膚生検で角層内にPAS染色とGrocott染色陽性の仮性菌糸と胞子を確認した.しかし,病理組織学的に日光角化症も存在したことから,皮膚カンジダ症の合併により臨床像が修飾された日光角化症と診断した.遷延した皮膚カンジダ症が治癒した初診11か月後から,イミキモドクリームによる治療を開始し日光角化症も略治した.顔面は皮膚カンジダ症の発症部位として稀であり,特に日光角化症に合併した症例は稀少である.自験例は,日光角化症とガーゼ保護による湿潤環境が皮膚カンジダ症の遷延に関与したと考えた.また,通常稀な顔面の皮膚カンジダ症を診断した場合には,他疾患合併の鑑別のために皮膚生検を検討することが重要である.
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