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増刊号特集 最近のトピックス2021 Clinical Dermatology 2021
4.皮膚疾患治療のポイント
先天性巨大色素性母斑に対する自家培養表皮を用いた治療
A case of giant congenital melanocytic nevus with autologous cultured human epidermis
西山 幸佑
1
,
坂本 翔一
1
,
国本 佳代
1
,
山本 有紀
1
,
神人 正寿
1
Kosuke NISHIYAMA
1
,
Shoichi SAKAMOTO
1
,
Kayo KUNIMOTO
1
,
Yuki YAMAMOTO
1
,
Masatoshi JINNIN
1
1和歌山県立医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, The Wakayama Medical University, Wakayama, Japan
キーワード:
先天性巨大色素性母斑
,
自家培養表皮
Keyword:
先天性巨大色素性母斑
,
自家培養表皮
pp.135-139
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206355
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自家培養表皮「ジェイス®」は,患者自身の皮膚組織から分離した表皮細胞を培養し,製造した表皮細胞シートである.ジェイス®は,2007年の広範囲重症熱傷に対する製造販売承認取得後,2016年に先天性巨大色素性母斑に対して保険適用となった.巨大色素性母斑の切除後皮膚欠損創に自家培養表皮を用いた治療例の報告は少ない.今回われわれはその有用性を母斑切除時に筋膜上の結合組織を残存させるか否かで比較検討した.その結果,創部収縮率に明らかな差を認めた.また,本症例では結合組織を残存させても黒色斑の残存や再発は認めなかった.先天性巨大色素性母斑は悪性黒色腫の発生母地となる可能性があるため,早期に母斑を除去することが望ましい.また,患者・家族にとって整容的問題も大きい.年齢・手術部位など症例に応じたより良い治療法の検討と長期結果の検証が求められる.
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